米ドル/円相場は、1ドル=102円台後半~103円台前半まで小幅値位置を切り上げる展開に。日米株式相場は方向性を欠いたが、米金利上昇圧力と連動する形で、若干ドル買い・円売り優勢の展開になっている。海外投機筋の大規模なドル買い・円売りには一服感もあるが、年初来高値の更新が続いている。
米10年債利回りは、11月末の2.744%に対して、12月16日時点では2.864%まで上昇している。17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和縮小への工程を示すリスクが警戒されている。今会合で債券購入の縮小が決定されると見る向きは少ないが、11月米雇用統計で雇用者数の増加と失業率低下傾向が確認されていることもあり、同議長がハト派的な政策スタンスを後退させる可能性がある。もっとも、米債券購入縮小はフォワードガイダンス強化などの金利上昇抑制策とセットになる可能性が高いことで、ここから日米金利差が急激に拡大するリスクも限定されよう。引き続き、緩やかなペースでの米金利上昇・ドル高(円安)圧力を想定している。
サプライズ的な動きがあるとすれば、日本株買いと連動した円売りポジションの行方である。クリスマス休暇を前にファンドの動きは鈍っているが、日本株の上昇地合が持続されると、投機的な円売り圧力が過熱する可能性がある。逆に、シカゴ先物市場で過熱感のある円売りポジション解消が進むと大きくドル安・円高方向に傾く可能性もある。ただ、ファンドが円売りポジションを完全に解消するとは考えづらく、ドル/円相場の押し目買い基調は維持されよう。
テクニカルでは、一目均衡表の基準線線(101.43円)とのかい離が拡大し、やや過熱感がある。転換線(102.77円)のサポートが崩れると、下値不安が拡大する。サイコロジカルは、前週の8勝4敗から6勝6敗に。14日RSIは63.86。